富山県の渓流U

                  *全て私自身が釣行した訳ではなく友人の情報も踏まえております。


1.熊野川 2.長棟川 3.常願寺川 4.小口川 5.和田川 6.真川 7.上市川 8.早月川 9.片貝川 
10.布施川 11.黒部川下流(宇奈月) 12.小川 13.笹川 14.境川(大平川・上路川)


魚影濃く長時間掛けて行く価値がある富山の渓流郡

<神通川水系>

1.熊野川


熊野川の釣場は熊野川ダム(赤倉ダム)のバックウォーターからだが渓が深く林道との高度差がかなり有り降りるのが厳しい。しかし、降りてしまえば一部廊下が有るものの全般的には遡行し易い。第三発電所からしばらくは水量が少なく蛇越沢出合いの上手に大堰堤があり堰堤より上流へは脇の急な斜面を登らなければならない。三枚滝までは落差のある渓相で一級ポイントが続くが魚影は薄い(おそらく稚魚まで釣り切られてしまったのだろう)。これより上流は北陸屈指の天然イワナの釣場であるが山岳渓流の装備を備えていかなければならない。渓相もイワナの型も申し分ない。天候の安定している時期に2泊3日で釣行したいものである。
赤倉ダム上流の支流としては小原川が熊野川第三発電所のところに右岸から合流するが林道が中流から併走しており入渓者も多く魚影が薄いので、出合から4m滝までが良い。4m滝の滝壷は直径が10mほども有り水量のあるときは攻めきれない。しかし、必ず尺物が出るA級ポイントなのでじっくり粘りたい。
なお、赤倉ダム下流も中級者クラスの釣り人には見逃せない。漁協の管理が行き届いて放流もされており成魚放流のヤマメのほか天然ヤマメとイワナの良型が釣れる。
ただし、日釣券はなく年券のみなので年間を通して通ってみてはいかがであろうか。
いずれにしても年々魚影が薄くなり特にダムより上流の天然イワナが少なくなったのは寂しい限りである。











三枚滝の滝壷を狙う 大堰堤を越えるには脇の山を巻く


2.長棟川

長棟川は岐阜県境の横岳、高幡山、池ノ山を水源にし神通峡で神通川右岸に流入する河川だが本流出合からの車道がないため入渓し易い川ではない。
入渓ルートは国道41号線茂住集落から茂住峠を越えて入らなければならないがゲートが付けられているので鍵がなければ入渓出来ない。
しかし、入渓者は意外と多く合鍵がかなり出回っているようであり以前のような大イワナは釣れないし、数も出ない。
茂住峠から入ると長棟川の源流域になるが渓は開けており遡行しやすく釣り易い。実際長棟川の核心部は中流域で奥山発電所から弥谷までの区間で巨岩帯と平川が交互に現れて釣趣をそそる渓相である。実際大イワナが出るのもこの区間が最も確率が高い。
いずれにしても単独遡行は危険であり必ず複数で釣行すること。また、雪代期および悪天候期の釣行は避けた方が良い。過去には死者も出ているからである。
さて、長棟川ノ下竜域は国道41号線から神通川を渡り長棟第一発電所まで車では入れるのでそこから釣り上がる事が出来るが夏場は上流での取水で水量がなく釣りにならない。よって下流域は雪代期か増水期に釣行すべきである。釣果はほとんど期待出来ないが運が良ければ良型のイワナとヤマメがサオを絞るであろう。


<常願寺川水系>


3.常願寺川

常願寺川は北アルプスの薬師岳をはじめ数々の山々の西面の水を集め大山町、立山町、富山市を抜けて日本海に注ぐ川である。2000m以上の山々から雪代となって流れる水は豊富であるが水質は決して良いとは言いがたい。清らかに見えるが硫黄を含む温泉水の魚影の見られない川もあるからである。称名川の上流にある地獄谷温泉と湯川谷中流にある立山温泉の硫黄分が常願寺川の水質を悪化させて魚影の薄い川にしている。
さらに常願寺川は昔から荒れ川で川というより滝であるといわせるほどであり常に水害にあってきた川で皮の名前も常に水害がないことを願ったことから来ているようだ。
温泉系特有の青磁色の濁りもあるが休みなく砂防工事が続けられている為に濁りが絶えないのもこの川の特徴である。
常願寺川本流の釣場は松木橋付近から和田川出合上流の大堰堤までで大石や岩盤帯が有り好ポイントが多い。川幅があり夏の渇水期を除いては到底エサ釣りでは攻め切れないのでルアーやフライに有利である。漁協が無く放流はほとんど無いので釣れる魚は天然である。不思議と小型は釣れず大物のヤマメとイワナであるが魚影は非常に薄いのでエサ釣り師としては渇水期に狙いたい。サオは当然7b以上は欲しい。エサはバイオ、天然ミミズが良い。




4.小口川

小口川は大山町才覚地で常願寺川左岸に流入する流程およそ15kmの川である。出合から上流3kmに有る小俣ダムまでは水が無く通常は釣りにならないが水量が有る時にはイワナの中型が出る。小俣ダム上流3kmまでは道が有るがそれより先は渡渉になる。ゴルジュ帯が続く険しい渓となり到底上流まで行くのは無理でたいした釣果も望めないようである。源流の祐延ダムに放流されたニジマスが落ちて居着いた天然ニジマスが釣れる様である。他はイワナだが8寸クラスまでである。



5.和田川

和田川は岐阜県境の大田和峠を水源にし有峰湖を形成し流下して大山町和田で常願寺川左岸に流入する流程およそ20kmの非常に険しい川である。本流に沿って有峰有料道路が走っている為どこからでも入川できそうであるが道と川との高度差が大きく渓者もきついのでなかなか入渓地点は見つからない。和田第2発電所までは林道からの降り口は無いので亀谷温泉の下から橋を渡って左岸へ渡り行き止まりまで進んでから川を釣り上がるしかない。ただ、先行すれば先で入川者に会う事は皆無に等しいので半日はゆっくりと釣れる。以前は林道も有料の割りに狭かったが現在道路整備が続いており広がりつつある。第2発電所から第1発電所までは堰堤もあり釣りにならない。第1発電所から上流も素晴らしい渓谷美で核心ポイントになりイワナが多い。時々尺物も出るという。上流に行くに従い水量も少なくなり堰堤も多くなるり釣果も苦労の割には乏しいので適当なところで道に戻った方が良いが滑落しないように注意!和田川で釣れるのはイワナである。下流域の平坦な渓相でもイワナが釣れる。亀谷温泉下に大堰堤が有り、本流からの遡上は無く全て居付きの天然イワナである。

有峰ダムから上流は北陸電力の管轄で漁業権も持ちイワナ、ニジマス、ワカサギ、コイが放流されている。湖に流れ込む沢はいずれも平坦であり大したことは無くイワナは生息するが型は小型が多い。東谷は特に金木戸川からの放水口が有その下は魚が溜まる好ポイントである。シーズン初めにワンポイントでイワナの大釣りを出来るポイントだが早い者勝ちである。


6.真川

常願寺川の本流筋といえる真川は北ノ俣岳(2,661m)や薬師岳(2,926m)などの北西斜面から流れ出し多くの渓の水を集め、途中湯川谷と出合う。折立を含めて3ヶ所に取水堰堤が有る為下流域はあまり釣りにならないが折立以遠は渓相も安定し水の透明度も素晴らしい。山岳渓流といっても交通の便が良く川沿いに道が走っているので入川し易い。折立から上流は有峰ダムから入るのが最も楽である。谷は割りと開けて5.4bのサオでも十分振る事が出来る。魚はイワナオンリーで尺物も出るが大抵20〜25aクラスの中型である。





7.上市川

早乙女岳から流れ出し、上市町を流れ滑川市で日本海に注ぐ二級河川である。下流域の釈泉寺合口堰堤までが中新川漁協で上市ダムから白滝漁協になる。ダム下流は5月くらいまでは水が有るがそれ以降は田んぼに引かれて水が無く釣りにならない。上市川第二ダムから上流もバックウォーター辺りで小又川と千石川に分かれるがいずれも砂防堰堤が多く堰堤下の溜りなどがポイントになるが20aクラスのイワナが釣れる程度である。これだけ堰堤が多いと釣趣にも欠ける。千石川の方も土石流に埋まり今ではさほど期待できないようである。この谷は赤土なので川も鉄分が多いようで見た目が悪い。





8.早月川

早月川は剣岳(2,998m)連邦を水源とする単独河川で上市町を抜けて滑川市と魚津市境を流れて日本海へ注ぐ流程30kmほどの急流である。源流域は数え切れぬほどの渓から雪代を集め7月になっても雪代が収まらず水量の多い川である。よって昔から荒れ川で下流域は急瀬で釣りの対象としては中村堰堤から上流になる。
大岩がゴロゴロして好ポイントが続き緊張するが然程の釣果は望めない。というのもこの川は漁協が無く有志の保存会で放流が続けられており魚影が薄いからである。ぜひともマナーを守った釣りをしたいものである。剣青少年研修センターから上流は8月から9月の釣場であり時々尺イワナも出るようである。サオは中流域では7bでも振れるが上流域は6b有れば対処できる。


早月川川魚保護の会の告知 伊折橋より剱岳を望む


9.片貝川

片貝川は猫又山(2,378m)、毛勝山(2,414m)、駒ケ岳(2,003m)などの山々の西側から流れ出し多くの渓の水を集め流下し、魚津市で富山湾に注ぐ流程およそ25kmの急流である。呉東内水面漁協が管轄しているのは河口から1km上流の落合橋までで渓流釣りに関しては漁協が無い。よって放流も無く完全に天然物だけにマナーを守って釣りたいものである。山脈から海までの距離が短くしかも積雪が多いため雪代での水量が多く急流の荒れ川である。よって砂防堰堤や取水堰堤が多く堰堤間は砂に埋まって平川になっているが黒谷堰堤から上流は大岩も多くなり渓相が良くなる。白い花崗岩の間を流れる水は青々とし釣れるイワナも白い色をしている。奥平沢辺りから地元の有志の方が放流しているのでそこそこの魚影はある。川に沿って奥まで道が着いているので入川し易い。又河原は広く本流では長ザオでも充分振れる。南又谷は片貝川流域の中でも一際美しい渓である。滝やゴルジュ帯があるわけではないが白い花崗岩とエメラルドグリーンの淵が素晴らしい渓相を作り出している。魚種は100%イワナである。エサはバイオが良い。川虫は期待できないので注意。











エメラルドグリーンの水が眩しい 片貝川中流の渓相 釣れる天然イワナも美形である



10.布施川

布施川は片貝川の支流になるが上流まで呉東内水面漁協と黒部内水面漁協が管理している。僧ヶ岳(1,855m)、烏帽子山(1,274m)北西から流れ出し、黒部市内から魚津市境を流れ富山湾の手前1km地点で片貝川に合流する。下流域は平坦な川で田籾川出合から上流で落差のある渓相に変わる。片貝川の隣でありながら全く地質が異なり石も黒い石が多く川虫も豊富である。田籾川出合まではヤマメで小川ながら早期には尺物も上がる。上流はヤマメとイワナの混棲になる。
支流の田籾川もヤマメとイワナの混棲であるが型は20aクラスである。本流は4.5b、支流は3.6bのサオで対処できる。エサは川虫、バイオ、ミミズなんでも食いが良いのはスレていないからであろうか。









11.黒部川下流

黒部川は言わずと知れた大秘境黒部で山岳渓流の代名詞のようなものだが宇奈月温泉から上流は宇奈月ダム途中までで奥へは車では行けない。奥へ行くにはトロッコ電車で行くか歩くしかない。通常の渓流釣りならば宇奈月温泉下流でも充分イワナが釣れる。水量もあり常時笹濁りであるがバイオ、ミミズで放流イワナを楽しむ事が出来る。サオは7〜8メートルあっても良い。特に宇奈月温泉前では釣堀的にイワナが釣れることもあるがウグイも多いので覚悟を要する。支流では宇奈月ダムの下で黒部川右岸に流入する弥太蔵谷が面白い。トンネルを過ぎてすぐ流れがあるが道は無いので展望台に車を置いて釣り上がることになる。流れはきついが落ち込みや淵もありイワナが釣れる。上流へ向うほどにゴルジュ帯も現れ険しくなるが然程危険性も無く釣り上がれるため入渓者も多く期待できない。

宇奈月温泉下流 弥太蔵谷下流



12.小川

朝日町の定倉山を水源にし朝日町内を流れ日本海に注ぐ流程およそ16kmの直線的な川である。渓流釣場としては中流域の中村辺りから上流と各支流になる。
雪代期を除いては上流の朝日小川ダムと取水堰堤の為に水量は少ない。到底渓魚の対象になる川には見えないがダム下流はヤマメとサクラマスが釣れる。
ヤマメもスーパーヤマメで尺上も出る。道は川に沿って走っているが一般者は小川温泉ホテルで行き止まりである。実はこの小川温泉ホテルからタクシーを使用して越道峠を越えて黒部川支流の北又谷へ入れるので参考までに。朝日小川ダムより上流とダム湖に流れ込む相又谷はイワナとなるが型は20a越え程度である。
そんなイワナを狙うくらいならスーパーヤマメを狙った方が断然面白い。エサはミミズかバイオでOK.サオは6.3bで対処できる。











小川本流中村辺り(ヤマメとイワナ) 本流でもイワナ(アメマス系)は出る 相又谷=発電所前(イワナ)



13.笹川








14.境川

境川は富山県と新潟県の境にあることから名付けられていて本流は富山県で支流の
上路(あげろ)川は新潟県である。よって漁協は無く放流もされていない。昔は当然天
然イワナの宝庫であったが川に沿って車道が通っているので釣り人が入り魚影は乏し
くなり、源流域に姿を見るだけである。上路川は水田の中の平川で釣趣に欠けるが意
外と魚影が有る。取水堰堤から上流はブッシュが覆って釣りづらいだけに良型のイワ
ナが残っている。源流域は魚影が薄く型も小型である。