高原川水系(岐阜県)  渓流釣りと温泉を同時に楽しめる渓魚の宝庫


北アルプスの高峰群から独立した乗鞍岳とその前山、四ッ岳を源に大滝川をつくり、安房谷を合わせて平湯川は高原川と名を変えて北流し、奥飛騨温泉郷の中心部栃尾で蒲田川と合流、さらに神岡町を流れて県境で神通川となって富山湾に流れる。途中数多くの支流を合わせるがいずれも本流に引けを取らないスケールを持っている。


1)高原川本流 2)蒲田川 3)山田川 4)蔵柱川 5)双六川 6)下佐谷 7)笠谷 8)白水谷 9)跡津川


1)高原川本流

本流は数ヶ所の堰堤と採石場のため流れが寸断されているが堰堤が低いため増水時には流通があり良型が顔を見せる。
高原川本流のポイントは
@
跡津川出合から神岡町まで、
A浅井田ダムから蒲田川出合まで、
B蒲田川出合いから上流の3つに大きく分けられる。

@跡津川出合いから神岡町内

跡津川出合いから神岡町までの本流は初期の釣場である。全体に水量は少なく岩盤の多い渓相で淵は有るが瀬とトロ場が多いのが特徴でポイントは少ない。5月以降はウグイに悩まされるため釣期は初期の3月から4月が良い。サオは本流の割りに川幅が無いので7bあれば十分攻められる。本流へ入る釣り師が少ないので天然のヤマメとアマゴの良型が出る。アマゴが出るのはやはり稚魚放流がされているのだろうか?最も人気の高いポイントは跡津川出合いの発電所放水管前であり尺上の出るポイントとして有名である。ここは8b以上の長ザオを用意した方が良い。エサはイクラと天然ミミズを持参すべきである。
神岡町内及び浅井だダムまでの区間は渓相的にも水質的にも今一で成魚放流中心なので渓流釣りとしての魅力に欠ける。ダム下のプールでは大型ヤマメ、イワナ、ニジマスも出るがやはりほとんど放流物である。それでもパワーフィッシングゲームを楽しみたい人にはルアーや長ザオでの餌釣りがお勧めである。

A浅井ダムから蒲田川出合い
この間は支流の双六川、白水谷、下佐谷、笠谷などが流入し渓相もよく高原川本流の核心部と言えるエリアであるが堰堤が2ヶ所有り、またそれぞれの渓にもダムや取水堰堤が有るため雪代期を過ぎると一気に水量が減る。しかし、大石が多く適度な落差が有るため好ポイントの淵や瀬が多い。成魚・稚魚の放流量も多いので魚影は濃く川虫も豊富で、奥飛騨温泉郷からのお湯が入るため冬場の水温も高く渓魚の成育条件としては申し分なく初期から丸々太ったアマゴ・ヤマメ・イワナが出る。ただし、残念な事は最近は成魚放流が増えた事とニジマスが混じる事である。数年前までは釣れれば大抵が天然か準天然の美しい渓魚であったが今では場所によっては成魚の放流物のほうが多い。サオは6b以上を用意した方が釣果につながる。浅井田ダムをはじめ堰堤のプールは絶好のルアー、フライの好ポイントであり大型のヤマメ・イワナに出会うチャンスも多い。


高原川本流  インフォメーション
渓 相 全体に並
遡 行 全体に楽
適 期 3月〜6月
放 流 稚魚、成魚
魚 影 濃い
川 虫 全体に多い
魚 種 アマゴ、ヤマメ、イワナ、ニジマス




B蒲田川出合いから上流

一見蒲田川の方が本流に思えるが平湯から流れてくる方が高原川で平湯温泉、新平湯温泉、福地温泉の奥飛騨の3温泉街を巻きながら流れるため水温は高く渓相は巨岩が多く落差のある渓である。本流筋とは言え両岸が木立に囲まれ釣り辛く3.6〜4.5bのサオでチョウチン釣りを強いられる場所が多い。天然ヤマメ・イワナも出るが魚影は薄く放流アマゴが対象となる。蒲田川出合いは管理釣場的様相になって完全に成魚放流物が対象でビギナーには有り難いが渓流釣りとは言えない。ルアー・フライブームに乗って設置されたと思うが所詮ビギナーのお遊びエリアである。





温泉:
平湯温泉

新平湯温泉「藤屋」
福地温泉「福地館」
温泉浴と森林浴「ひらゆの森」

栃尾温泉「中本館」
新穂高温泉「蒲田川荘」

キャンプ場:
奥飛騨温泉郷オートキャンプ場
平湯オートキャンプ場


【高原川支流群】


2)蒲田川


蒲田川本流  インフォメーション
渓 相 全体に並
遡 行 全体に楽
適 期 4月〜6月
放 流 稚魚、成魚
魚 影
川 虫
魚 種 アマゴ、ヤマメ、イワナ

雄大な北アルプスの槍ヶ岳から穂高岳に続く稜線の西側を右俣川の水源とし槍ヶ岳と弓折岳の谷間を左俣谷の水源として新穂高温泉で合流後、蒲田川となって西流し栃尾温泉で高原川本流に合流する。先にも述べたが川のスケールからすると蒲田の方がむしろ高原川の本流といった感じで川幅も広く水量も豊富で魚影も濃い。道路から降りやすく遡行もし易い。河川敷からすると川幅が狭く見え水量も少なく見え、ザラ瀬にも見えるが近づいてみると至る所に淵や深瀬があってポイントの多さに圧倒される。最も人気のエリアは合流点から神坂堰堤までである。それだけに入川者も多く最近では量・型共に相当ダウンしている。神坂堰堤から上流は瀬の多い渓相になるが中部大学ロッジ付近から再び巨岩が多くなり落差の有る好ポイントが続く。中尾橋より上流は5月から秋までの休日は渓で遊ぶ観光客で賑わい釣りにならない。


3)山田川

神原峠を源にして流葉高原から国道41号線に沿って流れ、神岡町で高原川に流入する流程約10kmの小渓である。下流域で渓が深いところもあるが全体には国道から下り易い。釣場はコンクリートプラントのある辺りから国道41号線と離れるところまでだがブッシュが覆い被さっており4.5bまでの短ザオでしかもチョウチン釣りになる。魚種はアマゴ、ヤマメ、イワナ、ニジマスと何故かブラウントラウトもいる。数年前はまだ穴場的河川で尺上も出たが今は小型ばかりになった。

4)蔵柱川

上宝村と国府町境の大坂峠を源に上宝高原を流下し高原川の浅井田ダム下流で本流に流入する流程約15kmの小渓である。上流のゴルフ場やスキー場から流出する土砂でかなり埋まって渓相は今一である。砂防堰堤より下の下流域の方が渓相としては良いが最近護岸工事も多くなり段々水路的になりつつあるのが残念である。渓は開けているので5.4〜6.4bのサオで振れるが上流はチョウチン仕掛けの対応になる。アマゴ、ヤマメが主体で上流域でイワナが混じるが全体に型は小さい。渓沿いに上宝−国府線が走っているのでどこからでも入渓は楽である。田植え前には取水のため減水する。
雨後の増水期に良型のヤマメが出るが尺物も出るので侮れない。





5)双六川

双六川  インフォメーション
渓 相 素晴らしい
遡 行 下流 楽    中・上流 厳しい
適 期 下流 4月〜7月   上流 7月〜9月
放 流 下流 成魚、稚魚
魚 影
川 虫 少ない
魚 種 下流 アマゴ、ヤマメ、イワナ  上流 イワナ




北の俣岳、中ノ俣岳、双六岳と連なる富山県境の山々から雪代を集めて金木
戸川と中ノ俣川が合流し、二俣から双六川と名を変えて双六集落を流れ中山で高原川に合流するおよそ40kmの男性的渓谷美を誇る渓である。早期は本流出合いから双六ダムまでの区間が釣場となる。水温が低いため早期といっても4月からとなり下流域では成魚放流の量も多く初心者でも楽しめる。大岩や岩盤が多く淵と瀬が組み合わされ好ポイントが多く攻め迷うほどである。雪融けまでは淵を中心に狙いたい。双六集落から上流ダムまでは更に巨岩怪石が多くなり場所によっては流れを横切れない事も有り渇水期の方が攻め易い。下流からダムまでアマゴ、ヤマメ、イワナの良型が出るので粘って釣りたいものである。ダムまで右岸に舗装道路も有り一部絶壁のところもあるが大方入川し易い。ダム上流の双六発電書から上流は断崖絶壁で林道から川までの昇り降りは命がけとなり入渓したとしても途中遡行困難なところもあり二俣までの完全遡行は不可能である。入渓するなら夏の渇水期を狙った方が良いが単独は避けなければならない。注意すべき点は渓の険しさもだが上流ダムの放水と鉄砲水で流され死者も出ていることを肝に銘じておかなければならない。できれば地元のガイドの案内で入渓したい。私は源流域に足を踏み入れた事は無いが入渓した者の話しでは渓相こそ素晴らしいが期待するほどの大型イワナは出ず上流へ行くほど苦労の割りに型は小さいとの事である。

6)下佐谷

高原川本流の葛山堰堤下流で右岸に流入する渓であるかなり奥まで林道が走っているがダムから先はゲートがあり平日または上流で作業や工事が行われている場合を除いて進入できない。出合いすぐ上流に発電所の堰堤が有り本流からの遡上は無い。下流域は瀬が主体で中流域は谷も深くかなり険しいく高巻を強いられ遡行は厳しい。巨岩が多くなり淵やトロ場落ち込みも多くなるが最近は良型が出なくなった。上流域は取水口から入川できる。
ここは本来イワナの川であったようだがアマゴの稚魚放流によってア
マゴの魚影の方が濃くなった。上流域は苦労の割りに釣果は出なくむしろ発電所から取水口の間を増水時に狙った方が数、型とも満足できる。


                             

下佐谷   インフォメーション
渓 相 全体に素晴らしい
遡 行 落差あり、高巻あり所々厳しい
適 期 6月〜8月
放 流 稚魚
魚 影
川 虫 少ない
魚 種 ヤマメ・アマゴ・イワナ


7)笠谷

笠ヶ岳の南麓を水源にし高原川の右岸に合流する流程およそ15kmの渓である。出合いから200メートルほどは瀬でそこから上流の取水堰堤までは落差のある渓相で落ち込みや淵が多くなるが堰堤で取水されるため水量は無いがイワナが棲息する。取水から上流は水量が有り巨岩の多い渓相となりやはり落込み、淵が多くなり小滝も有る。上流まで所々高巻も必要だが大方遡行は出来る。渓に沿って林道が有るが取水堰堤の所でゲートが有りそれより先は徒歩となる。以前は良型イワナが多かったが場荒れして型も小型になった。水は高原川水系@綺麗でエサは川虫で攻めないと釣果は得られない。中・上流域は渓が狭く増水時は遡行が困難で危険である。雪代が終ってからの入渓がベターである。






笠谷   インフォメーション
渓 相 素晴らしい
遡 行 やや厳しい
適 期 5月〜7月
放 流 無し
魚 影
川 虫 少ない
魚 種 イワナのみ

8)白水谷

上宝村大久保で本流左岸に流入する小渓で出合いからおよそ1kmで沢上谷と分かれる。沢上谷出合い上流に大砂防堰堤が有り、そこまでは落差の無い平凡な渓相ながらアマゴの魚影は濃い。おそらく本流からの遡上も有り入川者も少ないからであろう。堰堤から上流は渓も狭くなりアマゴとイワナの混棲になる。サオは4.5b以下でチョウチン仕掛けを強いられるようになる。入渓は右岸側の林道を利用する。沢上谷は白水谷出合すぐ上流に滝がありこちらも本流からの遡上は無い。谷に沿って上流まで舗装道路が有るため入川者はあとをたたず数、型ともに期待は出来ない。







9)跡津川

高原川水系の支流の中で双六川についで流程が長く釣り応えのある川である。跡津高原の幾つもの支流と有峰の大田和峠から流れる大田和川の流れを集めて神岡鉄道漆山駅先の土集落で高原川に流入する。跡津川の入川区間は高原川本流出合いから大田和川出合までと大田和川出合から大滝までは下流域からの釣場となり神岡発電所の堰堤から打保、森茂、伊西部落の各沢を釣る時は山吹峠を越えて入る。現在は双六川沿いに走って山吹峠を越える道路は広く整備されているので楽に行ける。本流下流域は上流の神岡発電所堰堤での取水と跡津川発電所での取水のため減水して雪代期、雨後の増水期しか釣りにならない。よって入川者も割りと少ないため増水時には驚くほどの釣果を得る事が有るので侮れない。大田和川出合から上流取水口までは下流同様で増水時以外は期待できない。落差があり渓相は抜群だが取水堰堤が川を殺している。
中流域こそ跡津川の
核心部だが釣場は取水堰堤より上流で入川は1号橋からの下り釣りになる。というのも取水堰堤へ行く神岡鉱山の私有林道が在るものの一般者は入れず渓に沿っては道が無いからである。1号橋から右岸に林道があるがそれもゲートがあって進入できないし進入できたとしても林道は遥か川と離れており入川は命懸けとなる。
上流域は高原を流れるため落差の無い里川的な流れで
あるが稚魚放流が盛んで魚影は濃い。やはり雨後の増水時や雪代期には尺物が出るので侮れない。
上流域の一部でブッシュのため短サオのチョウチン仕
掛けになるが大方4,5〜6.3bでも振れる。この川は川虫も多いがエサは天然ミミズがベターである。
下流より上流までアマゴ、ヤマメ、イワナの
混棲だがアマゴ、ヤマメの方が多い。

                     


@ 大田和川

A 伊西沢

B 森茂沢

C 岩井谷


打保谷の渓相 23〜28aの天然ヤマメ 打保谷の渓相


跡津川  インフォメーション
渓 相 下流・中流 良い  上流 並
遡 行 下流・上流 楽   中流 厳しい 
適 期 下流・上流 5〜7月   中流 7〜9月
放 流 稚魚
魚 影 濃い
川 虫
魚 種 アマゴ、ヤマメ、イワナ


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